1台のPCで22システム・24.6万行 ― 実測記録

AI導入事例

にわかには信じがたい数字だと思いますので、先に前提を書きます。これは推計でも理論値でもなく、当社エンジニアが実際に使っている開発PC 1台の、全Gitリポジトリのコミット履歴と開発サーバの実機を集計した実測値です。期間は2026年4月中旬〜7月末の約3.5ヶ月、実行したのはエンジニア1人と、AIコーディングエージェント(Claude Code)です。

指標実測値
開発・更新したシステム/プロジェクト22
作成・更新したコード(追加行数)約24.6万行
コミット数446
期間約3.5ヶ月(大半は直近6週間に集中)

数字の信頼性のため、集計ではライブラリ類(node_modules、Python仮想環境など約100万行)、ロックファイル、画像などのバイナリ、既存システムから移設しただけの資産、リポジトリ間で重複するコードを除外しています。逆に、サーバ上で直接構築した作業は含めていないため、実際の作業量はこの数字より多い側に振れます。

人間の手作業なら、何人月か。

業務システム開発の一般的な生産性目安「1人月=1,000〜2,000行」(設計・実装・テスト・デバッグ込み)で換算すると、24.6万行は約123〜246人月、つまり10〜20人年に相当します。人月単価100万円で見積もれば、1.2〜2.5億円規模の開発量です。

それを、1人が他業務と並行しながら3.5ヶ月でこなしました。単純計算でも35〜70倍、作業が集中した直近6週間だけで見れば100倍を超える生産性です。もちろん行数は品質や価値と等号ではありません。ただ、この規模差はもはや「効率化」という言葉では足りません。生産の主体が人間の手からAIエージェントに交代した——産業革命で職人の手が機械に置き換わったのと同じ構造の変化が、ソフトウェア開発で起きています。

何を作ったのか。

  • 店舗・企業向けSaaS 7本(SNS投稿管理、在庫管理、売上分析、LINE会員基盤、クチコミAI応答、店舗BGM、学習サイト)— 最大のものは176コミット・4.1万行。在庫管理SaaSは3日で2.3万行
  • 企業ホームページ 4本(多言語対応サイトを含む。いずれもCMSなしの静的構成+AIによる更新運用)
  • 20年もののJavaシステムのフルリニューアル(実録①
  • サポート終了OSで動く基幹システムの段階移行ゲートウェイ(実録②
  • 新プラットフォーム構成検討のプロトタイプ(実録③
  • ほか、社内ツール・インフラ構成・ドキュメント類

正直に書きます:AIは魔法ではありません。

うまくいった話だけではフェアではないので、実際に起きたことも書きます。10年前に破損していたデータはAIでも復元できませんでした(失われた情報は発明できません)。並行作業でコードが巻き戻る事故も起き、Git履歴から復旧しました。AIの初期仮説が後で覆ったことも一度ではありません。

だからこそ当社は、実データでの検証を全機能に課し、Git運用の規律を守り、戦略の意思決定は人間が行う——という方法論とセットでAI駆動開発を運用しています。道具ではなく、方法論。これが3.5ヶ月・24.6万行を事故なく納め続けられた理由です。

同じ状況でお困りではありませんか。

  • 仕様を知る人がいなくなったレガシーシステムを抱えている
  • 刷新の見積もりが数千万円・年単位で、身動きが取れない
  • 「SaaSに乗り換えて業務を合わせる」以外の選択肢を探している

当社はレガシー刷新を「AI Re:プラットフォーム」(略称:AIRプラットフォーム)として提供しています。
既存ソースの解析までは無料。結果は技術的負債の一覧と「作り直す/包む」の初期戦略をまとめた簡易版「AIRレポート」としてお渡しします(NDA締結のうえ実施)。今すぐお問い合わせください。

お問い合わせフォーム(「無料解析(AIRレポート)希望」とお書き添えください)/ info@flagship-ai.jp

無料オンラインセミナー「レガシー to AI ― IT業界の産業革命と、20年もののJavaシステムを再生した実録」開催予定(日程調整中)。事前登録の受付は近日開始 ― 本ブログで告知します。

シリーズ「レガシー to AI 実録」

※本記事の数値は2026年7月末時点の実測値です。開発成果はシステムの状態・要件により異なります。

カテゴリー:

タグ: