実録②:既存コード0行変更の段階移行

AI導入事例

ある販売管理の基幹システム。20年近く稼働し、業務は毎日回っています。OSはとうにサポートが終了し、アプリケーションサーバも画面技術も世代前のもの。それでも「全面刷新」に踏み切れないのは、規模と業務影響を考えれば当然の判断です。実録①では「作り直す」を選びましたが、全てのシステムで作り直しが最適とは限りません。今回採った戦略は、既存システムには一切触れず、外側に新しい入口を建てる——いわゆるストラングラーパターンです。

既存コードの変更は、0行。

利用者 → 新ゲートウェイ(新設) → 既存システム(無改修) → 既存DB(そのまま)

  • 既存システム側には、内部の業務ロジックを外から呼べるようにするRESTの薄い皮だけを追加。既存のクラスは1行も変更していない。触らないから、壊れない
  • 前段に新ゲートウェイ(Java 21/Spring Boot)を新設。社内のビジネスチャット基盤のアカウントでSSOログインし、認証済みのリクエストだけを既存システムへ中継
  • 画面は新ゲートウェイ側でモダンに再構築。一括登録もフォーム登録も、既存システムの登録ロジックを100%再利用して動く

リスクは「新設した皮」の中に閉じ込め、実績ある業務ロジックはそのまま活かす。これがこの戦略の肝です。

着手から数日で、本番インフラ上のE2Eが成立した。

AIエージェント(Claude Code)が既存システムのコードを読み、古いフレームワーク特有の内部構造の癖を一つずつ潰し、ゲートウェイの実装・サーバ構築・リバースプロキシ設定まで進めました。結果、着手から数日で、公開URLから認証を通り、既存エンジンで実データが登録されるところまで一気通貫で成立。以降は検索・新規登録と、画面単位で機能を積み増しています。

段階移行のよいところは、使う画面から順に新側へ寄せていけることです。全面刷新のような大きな資金・体制・凍結期間を必要とせず、業務を止めずに「新しいシステム」の面積を広げていけます。ストラングラーパターン自体は昔からある手法ですが、解読と実装に相応の工数がかかるため稟議を通りにくい選択肢でした。AIがその両方を桁違いに速くしたことで、「全面刷新 or 塩漬け」の二択に、現実的な第三の道が加わったのです。

同じ状況でお困りではありませんか。

「止められない基幹システムがある」「刷新の稟議が通らない」「せめて新しい画面・新しい認証だけでも」——そのシステム、壊さずに入口だけ新しくする道があります。

当社はレガシー刷新を「AI Re:プラットフォーム」(略称:AIRプラットフォーム)として提供しています。
既存ソースの解析までは無料。結果は技術的負債の一覧と「作り直す/包む」の初期戦略をまとめた簡易版「AIRレポート」としてお渡しします(NDA締結のうえ実施)。今すぐお問い合わせください。

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シリーズ「レガシー to AI 実録」

※本記事の数値は2026年7月末時点の実測値です。開発成果はシステムの状態・要件により異なります。

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